最終レポート18

21P1年男子


今回、前期を通して少人数セミナーを受け私自身が思うところとしてあげられることは、以前から抱いていた概念と比較して考えると、”視点が変化した部分”や”新たな学び”などといったものが多数あったことは言うまでもないということです。そして、今回の授業では「地域」や「環境」、「食」などが複雑に絡み合う様々なものを取り上げ、「農業」や「漁業」などを実体験的に経験し学習しているのですが、この変化していくきっかけとなったことは何かと考えると、計3回行なわれた実習体験はもちろん、日ごろ先生方がとりおこなって頂いていた授業など、今回の授業関連のすべてが私にとって今までとはまた違った観点を与えてくれるものでした。


前期を通して通常行われていた授業では、私自身の既存概念の中で改めて感じたこと、思い返したことが多くあり、日常において月曜日の5時限が最も楽しみな時間でありました。と言うのも、棚田の現状や里山の存在価値など”環境に視点を向けるきっかけ”を与えてくれるような話から、日本の古来の姿がどれほど自然と密接に関連していて、それでいて生物多様性の観点からしても、これらがいかに重要であると共に、今後に残していかなくてはならないのかといったことを思い改めるきっかけとなりました。加えて、環境と同様に日頃の授業で行われたリーダーシップ論やリスクマネージメントなどの講義はいつも私が好きで行っている地域活動やボランティア活動に直結して考えさせられるものでありました。また、”このような事態のときに、あなたは一体どのように対処しますか?”・”あなたがリーダーならばどうメンバーを動かせばよいですか?”などといった、自問自答が必要な授業内容などは私自身もいつも活動を行っているときとはまた一味も二味も違った、あらゆる視点から自分の意見や周辺の意見を考察することが出来ました。私自身の中ではこうした日頃の講義から改めて「リーダーとは何なのか、どうあるべきか。」を瞑想するきっかけとなり、この考察がいかに重要でありつつも難しい問題か、といったことを感じることになりました。


日頃の授業でも上記のようなことを考えることが出来たのですが、これら以上にすごく貴重な体験となったのはやはり計3回行われた実習授業であることは否めません。私自身、今回の実習の中で最初に行われた農場体験が21世紀プログラムの集中講義と被ってしまい参加が出来ませんでしたが、第2回の漁業体験、第3回の田植え体験だけでも日頃の授業と直結することに加え、その周辺の人々や環境からもたくさん得るものがありました。第2回に行われた漁業体験では、カキ養殖という1つのことが、カキ養殖にいたるまでの経歴、今現在の海をとりまく環境の変化(例:海水温度の上昇による生態系の変化、原油価格高騰による漁業事業者の生活困窮など)、漁師の人々の人柄や性格などあらゆること全てが関係していているのだなと思えます。また、養殖カキの搬送までの行程を体験し、カキを食した時、”このカキの味がなされているのは、多くのものが終結した結果なのだな。”としみじみ感じました。第3回に行われた田植え体験でも同じような感想も持ちましたが、田植えの場合は、漁業のときとは異なり、小さな子ども達などと一緒に手植えを朝からおこなっていくことで、疲れはしましたが疲れ以上に子どもと一緒に米が出来るまでの一部に加担して子どもに米の大切さや美味しさを伝えつつも自分自身も改めて思い返す良いきっかけとなったことに変わりはありません。


このように、この前期で行われた少人数セミナーは私にとって”本当に多くのものを得ることができ、思い改めることができ、学ぶことができた。”と感じる、興味深く楽しい授業でした。そして、この授業を通して私は改めて”環境とは何か、変えるとしたらどうしたらいいか。”、”自分自身が環境と向かい合ったとき、一体何ができるのか。”、”果たしてあるべきリーダーの姿とは何なのか。”といったものを考えることが出来ました。この授業で得られたものは本当に多かった。そう思う限りです。出来るのであればまた後期も考えています。そして、このような授業を開講していただいている先生方に大変感謝しています。本当にありがとうございました。