第6回少ゼミ1

本日は、芸工、朝廣が2回目の担当「安全で楽しい環境保全活動のプログラミング」と題しゼミををしました。

環境保全活動は、こちらが何らかの意図があり、ボランティアを募集して、ある仕事の実施を目指します。
企画の基本は、先週お話ししたように、Two Handsのモデル、こちらの提供するものとボランティアの求めるもののマッチングを考えることが必要です。
でも、それでも、本日佐藤先生からの指摘があったように、「おしつけがましくならないこと」「さりげない楽しさ」がとても大切ですね。


そのためには、企画の際に、「気づき」と「学び」の工夫を盛り込みながら企画することが必要です。
そのポイントは、佐藤先生の指摘された「行動のコントロール」でしょう。
チーム活動におけるリーダーの主務は、ここにあります。


さて、今日は、まず、季節を考え「落ち葉かき」「焼き芋」(堆肥←途中で削除)のキーワードから学べる「環境保全への気づき」について考えました。

  • 落ち葉のバイオマスとしての利用
  • 人とのふれあい、活動の楽しさ
  • 手入れの大切さ
  • 植物への気づき

など、様々な気づきを上げていただきました。


この気づきをもとに、2つのグループに分かれ、模造紙に焼き芋会の企画を考えていただき、発表していただきました。
焼き芋を焼いている間に、落ち葉から植物のことを学ぶ機会を設けたり、ゲームをしたりなどなど、気づきを促すプログラムを盛り込んでいただきました。


さて、次に「安全」に関する学びです。


活動の企画において「楽しみ」と共に、「安全」を考え準備を進めることはとても重要なことです。
もし事故や怪我が起きた場合、参加されたボランティアが残念な思いをするだけでなく、リーダーの責任と組織、活動自体の是非が社会的に問われ、最悪の場合、組織の解体、社会的にもその活動が実施できなくなるかもしれないからです。


安全管理の基本は、大きく次の4段階から構成されます。
事前の「危険予知」、実施中の「危険回避」、事故が起きてしまった場合の「応急手当」、最後に「保険手続き等」です。


今日は、最も大切にしてもらいたい「事故を起こさない」予防を行う「危険予知」について、安全の3角形のモデル説明とリスクアセスメントを行いました。


安全の3角形とは、アメリカの安全技師ハンリッヒさんが考案した「1:29:300」の法則に基づき、1つの重大事故の確率を下げるために、300の未遂に終わったヒヤリハットについて、記録し対策を立てる安全管理のモデルです。


リスクアセスメントは、焼き芋会で生じそうな「危険因子」を特定し、それが「生じる可能性」と「被害の程度」を1〜3で評価し、2つの評価値を掛け合わせて「リスク値」とします。
また、そのリスクを制御する対策を考えていただきました。


最も高いリスクは、火事、その次が火傷や手の怪我が想定され、消化の徹底や、軍手の用意、周知徹底などを対策として発表していただきました。

このように作成してもらったリスクアセスメントシートは、当日の状況に応じて修正を加え、活動を進める中で参加者に周知したり、仕事を割り振る時の役に立ちます。
ぜひ、お役立て下さい。


さて、前回と今回の2コマが、私が主として担当した「環境保全活動にかかるリーダーシップ」に関する少ゼミでした。この内容は、主に、BTCV(British Trust for Conservation Volunteers)のリーダーシップトレーニングのプログラムを骨子にしており、BTCVとのパートナーに基づき実施しています。内容は、大変一般的なものであり、家庭や企業でも活用されており、ヨーロッパでもアメリカでも同様のトレーニングが行われています。


次回は、ぜひ、実践の中でご活用下さい。