最終レポート4


21CP1年女子


私が初めて「佐藤ゼミ」に持った感想は、ほかの授業のクラスには見受けられない雰囲気の良さと居心地のよさだった。教員と学生が直接向き合えるのはこの授業だけであり、学生間の仲も学部が違うとは思えないくらい良好だ。毎回のように授業の初めに行われる自己紹介と握手は互いの緊張感を解きほぐすばかりでなく、その後に行われる体験活動を行う上でのコミュニケーション能力向上に役立ったように思える。
前期のゼミでは合計して三度にわたる体験活動があったが、私はそのうちの漁業体験と田植の手伝いに参加した。学校ではグループで行うブレストによって意見をまとめていく授業方式がとられ、そこでは自然環境や生物多様性について多角的に考察したり、パワーポイントなどでめずらしい植物やきれいな風景を見たり、ゲーム感覚でグループ同士競い合ったりなど、内容が実に多岐にわたっており充実しているものだった。
そもそも私は21世紀プロクラムの入試で自己推薦をするとき自らの興味分野に環境問題を取り上げており、自然環境には関心が強いほうだったのでゼミで取り扱われる内容は、ことのほかどれも興味あるものばかりであった。そのなかでも一番今後の生活に役立つと思ったのは海難事故にあった時の対処の仕方についての講義だ。バケツとロープを使ってシーアンカーを作ったり、鏡を反射させることによって海上を飛ぶヘリコプターに合図を送ったり、重油を海水面に流すことによって波を抑えたりなど、私たちが普段考えつかないような道具の使い方がとても新鮮だった。今後起こりうる事故や危険な状況に陥った場合に道具を多角的に見ることのできる力は有効だろう。また食物連鎖や環境破壊の因果関係など、自分では理解しているつもりでもキーワードをカードに書いてそれぞれをグループ内で話し合いながら並べてゆくと以外にもみんなの意見が一致しないことが多く、自分が主観的に問題をとらえていたとこにとても驚いた。本当に環境問題について真剣に取り組み、解決策を導きたいのであればまずはお互いに何を考えていて、双方の感じ方やとらえ方の違いを明らかにしないとならないことがわかった。
漁業体験ではカキの養殖をしている現場に行ったが、そこでも新たに知ることが多かった。牡蠣のような海産物は海で養殖したものをそのまま製品として出荷すると思っていたので、いかだに乗ってロープを引っ張った時に姿を現した海藻やら磯巾着のついた塊には驚いた。筏の上でほおばった新鮮な牡蠣のおいしさにもさることながら、手の込んだ生産方法に感嘆した。工場では少しだけ牡蠣のクリーニングや洗浄を手伝わせてもらったが、私個人としてはもっと長時間作業をしたかった。それほど面白いものであった。この体験を通して私たちが普段食べている海産類に対する見方が変わったように思われる。
農業体験は一言で言うと、とてもやりがいのあるものだった。最初に市民と方たちと行ったアートちっくな田植えではほとんど小さい子供と一緒にいたのだが、好奇心旺盛な年頃のこといるからできる体験ができた。田んぼの泥で足を埋めあったり、泥を投げて遊んだり,田んぼの中の生物を探したりなど初めての経験をさせてもらった。そののちに行ったゼミの人のみでの食べられる稲の田植えはより新鮮なものであった。田の泥のにおいが違うのだ。市民の方たちと作業した法の田んぼはもともと減反をするための土地であったらしく、また実った米も食べられないらしいので土に堆肥などを混ぜていなかったのだろう。下の田んぼに行って泥の中に足を踏み入れ思ったことはまず、匂いだった。田んぼの水面には土壌が豊かであるからだろうか、苔のようなものが生えていた。泥も幾分か滑らかだった気がする。農家の方もおっしゃっていたが普段は機械で田植えをするらしく、手植え日かかるものが三十分で済むらしい。とにかく農業験がないので機械を使った田植えも見てみたかったのだが働いた後のご飯はいつもよりおいしく感じられるのだ。藤先生の取り計らいで各人が手作り料理を一品ずつ持ち寄ったのだが、想像以上に心が温まる昼食となった。
ゼミを通して学んだことは人の温かさと感謝の気持ちである。いまでは感謝の気持ちを持って御飯を食べようになり、また自然までもいとおしめるようになった。この気持ちをこれからも持ち続けていきたい。

最後になりますが、素晴らしい授業をありがとうございました。