最終レポート6


農学部1年男子


この少人数セミナーで私は多くのことを学んだ。それは大きく分けて7つほどある。よって順に考えを述べていきたい。
まずは日々アンテナを張って日常に関するあらゆることに関心を持つということだ。おそらくこのゼミを取らなければ、感性を研ぎ澄ませて日常に面白いことを見つけることは不可能に近かっただろう。しかし今は日常の変化に気づくようになった。季節が変われば植物が変わることに気づいたことは自分にとって非常に大きな変化であった。普段は関心がなかったのに、目を向けて今はそれを写真に撮るなどしている。
2つめに学んだことは、表現方法である。このゼミでは毎回と言っていいほど発表がある。自分の考えや感じたことを、皆に伝わるように話さなければならない。よって話す前にはまず内容をあたまに浮かべ推敲し、場の雰囲気に合わせて発言しなければならない。また、私は日々感じたことを日記に書くということをしているので自分の感情をどうやって言葉にするかよく考えている。これを続けていく途中で気づいたことは、言葉に表現しやすいこととしにくいものの二つがあることだ。実習などは感じたことが毎回多く感想はすらすら書けたのだが、命に関する講義は言葉でうまく表現できなかった。今は自分の表現の幅を広くとり、もっと上手に伝わるように工夫をしていきたいと考えている。
3つめは協力することである。合意を形成する難しさを知った漂流を想定した授業。どうしても自分ひとりだと危険な考えに傾いてしまう。しかし自分の意見を変えることは難しく、制限時間をオーバーした後で意見がやっとまとまった。結果を見ていくとあきらかにより安全な方法へと変わっているので協力することは非常に大切であると感じた。活動に関しても仕事の分担をして協力することが大切だとも感じた。それぞれが自分の役割を果たすことで、効率よく作業を進めることができる。またその後は皆と協力したという達成感を味わうことができ気持ちの良いものであった。しかし協力をするにはまず信頼関係を形成することが必要である。このゼミではその機会が多く、握手をしたり何度も自分の自己紹介をしたりした。そのおかげで授業数は少ないにもかかわらず、少ゼミの友人とは仲良くなることができた。また協力には連絡を緊密に取り合わなければならないと知った。田植えの実習で稲を植えるとき初めは連絡をうまく取ることができずガタガタの田植えとなってしまったが、きちんと意思の疎通ができるようになると自然と稲が揃うようになった。ほかの水田でも連絡を取り合い、より正確に田植えを進めようとしていた。
4つめは夢・目標についてである。佐藤先生には初めの授業で最初からあきらめるなと言われた。確かによく考えてみると自分は「これもだめだ、あれもだめだ」と考えてばかりいた。本当に最初からあきらめてしまえばそこで終わりである。また最初からだけでなく最後まで必要であるとも感じた。人生における挫折を経験したときに、その粘り強さがのちの人生を変えていくだろう。あきらめないためには明確な目標が必要である。私は今、日常から面白いものを見つけ出して自分の感性を研ぎ澄ませたり、自分の将来のためと思って勉強を続けたりしている。途中で投げ出したくなることはあるが自分の目標に届けるような努力をしなければならないと考えている。あきらめないからこそ日々の生活に活力がわき、私はイキイキとした状態になっている。
5つめは食についてである。実習を体験することにより食事について親近感が沸きその恵みに感謝をしたいと思うようになった。普段の生活では食事はいつも店頭に並んでいるだけで、それほど深くは考えようとはしていなかった。しかし、弁当を作ったときに友人や周りの人においしいなどと声をかけていただき非常にうれしかったので、普段弁当を作ってもらっていた母に感謝しようと思った。また私は食堂も利用するため料理をしてくれる人への感謝もした。食を作る喜びや得る楽しさなどを感じることができ、最近は何か自分で料理をしようと考えている。
6つめは自然についてである。環境に関して班ごとに考える機会があり多くの地球環境問題の要因を取り上げた。あまりにも複雑に問題が関わりあい、なかなかまとめることができなかった。反対にミクロな視点で環境を見つめることもあった。水田の環境について考えたときである。コンクリートで畦を固めるというだけでカエルの中には移動できなくなるものがいる。またメダカも生きていくことができず水田とともに生きてきたのだと知った。先の田植え実習では普通は会うことのできないカブトエビと出会うことができ、非常に感動しその水田が自然とともにあることを知った。今は農家が減少していて水田とともに生活していた生き物は本当に危機的状況にあると思う。だから私は小さなことからでも何かしら取り組みたいと思う。リオの伝説のスピーチでもあったように、解決策を考えるのではなく今できることをすることが必要であると感じた。
7つめは命についてである。一回の講義ではあったが、本当に考えさせられた。特に猿渡瞳さんの話は一番印象的であった。前向きに様々なことを考えて、いのちの炎を燃やし周りの人への感謝を忘れることをしなかった。私も日々を大事に生きよう、大学生活を始めて多くの人へ感謝をしたいと考えていたのでこの考えはとても共感できるものだった。また助産師さんの話では死産をしなければならなかった母親の話があり、これは今でもどう向き合えばいいのかわからず悩んでいる。生きることが難しくもあり、非常に価値あることだとわかったがまだそれ以上は考えられない。
以上を授業の中でまた実習の中で見つけていくことができ、おそらく自分の中で最高に得るものがたくさんあった学校の講義であった。私は今何か自分の興味を起こすような出来事を自分からしたいと考えて夏休みを活用しようと考えている。とにかく行動して新たな発見・体験をしたい。
このような機会を頂き、先生方本当にありがとうございました。