最終レポート12


芸術工学部1年女子


私がこの少人数ゼミを受講してもっとも学んだことは、身近なものの大切さ、ありがたさである。
まず、最初の授業では自己紹介と受講生、先生と握手をした。大学に入って嫌というほど自己紹介をする機会があったが握手をしてというのは初めてだった。わたしは、結構人見知りで初対面の人とすぐに打ち解けることができない。顔と名前もすぐに覚えられない。知らない人だと思うとバリアみたいなものを無意識のうちに作ってしまう。しかし、相手の顔を見て笑顔で握手をすると自然と打ち解けた感じになれた。相手のことはまだ何も知らないのだが、肌の触れることで安心したのかもしれない。緊張もほぐれたと思う。握手は、あなたのことを受け入れますよというサインなのではないだろうか。だから相手に対する警戒心とかも薄れるし、自分も相手を受け入れようとするからバリアもなくなる。最近はだんだん初対面の人にも自分から話しかけたりできるようになった。多分、私も相手を受け入れようとするし相手に受け入れてもらいたいという気持ちが出てきたからだと思う。
フィールドワークでは、普段めったに関わることのできない世界に飛び込むことができた。牧場にはいけなかったが、漁業や農業をほんの1部ではあるが体験することができた。食という人間が生きることそのものに直結する漁業や農業は、身近でありながら遠い存在であった。当たり前のように魚や野菜、お米を口にしているが、私たちの口に入るまでにものすごい数の人々が関わっていて、その人たちのおかげで安全でおいしい食事ができているのだ。フィールドワークなどを通して、そういうことに気付いた。それからは、何事にも感謝の気持ちが出てくるようになった。まず、今私が生きているのは両親のおかげだし、学校で快適に勉強できるのは、掃除のおばさんたちのおかげなのである。この世には、気付かれないけれども自分たちを支えてくれている人やものがたくさんあるのだ。感謝という関連からは、「お弁当の日」もすごく勉強になった。今まで親が弁当を作ってくれるのは当たり前だと思っていたし、お弁当を作ることがそんなに大変なことだと知らなかった。私が生まれたときから私のためにご飯を作り続けてくれた両親の偉大さを感じた。実際自分が作ってみてその苦労がわかったし、それだけでなく誰かのためにつくりおいしく食べてくれる喜びというものも知ることができた。「おいしい」の一言に大きな力を感じた。最近作ってくれた人にきちんとおいしいと伝えるようになったし、お弁当やご飯を用意してくれる母親にありがとうというようになった。
また、学ぶ姿勢もこの授業を受けて変わったと思う。つまらないと思ってぼけっと聞いている授業でも、自分自身に何かを吸収しようという気持ちがあれば多くの学びを見つけることができる。ようは、学びとは入ってくるものではなく自分で取り込まなければならないのだ。楽しみを見つけて学ぶものほど実りになるものはないと思う。この授業は、ただゲームをして楽しいとかではなく、自分で考えて言葉にして相手に伝える自ら学ぶ姿勢を養うことができた。一人ひとり発表する機会が毎回たくさんあったし、ほかの人の意見を聞くことで、自分が見えなかった部分や違った観点、考え方を発見することができ、自分の視野が広がった。
私はこの授業で学び、成長できた部分を大切にして、今後は自分がほかの人に伝えていけるように頑張って生きたい。最初は、環境保全という名に惹かれていったが、環境に関することだけでなく、命や仲間、コミュニケーションなどとても多くの学びを得ることができた。この授業を受けて本当に良かったと思う。