最終レポート13


芸術工学部1年女子


地産地消のシステム作り〜ホークス・山笠応援隊〜

この少人数セミナーでは、体験を通して様々な発見があったが、とりわけ私は地産地消について考えを深めたいと思ったので、このテーマについて述べることにする。以下に、地産地消が定着するまでにすべきことを流れに沿って挙げる。


(1)地産地消の必要性
 現在、日本の農業・漁業の現場が抱える課題は数多くあるが、中でも深刻なのが高齢化と石油価格の高騰である。農業・漁業とも、後継者の不足により、高齢の働き手が増えている。こうなると、数年後には食料生産の担い手がさらに減少することになり、日本の食料自給率も下がり続けるだろう。また、石油価格の高騰は漁業者にとって必須の船の燃料費に大きく影響し、遠洋や沖合の漁業は減少、魚をとっても採算が合わないといった実体があらわになっている。これには、国産のものより輸入品のほうが価格が安いため、国産の商品が負けてしまっている現状がある。世界のバイオ燃料の普及により、食料価格の高騰・食料不足が叫ばれるなか、こうした流れは将来の日本にとって危険である。この流れを変えていくためにも、地産地消は有効な手だてと言える。
 地産地消にはいくつものメリットがある。例えば、土着菌といってその土地独特の微生物が土を良くして、そこで育った食物に人間は適応するので、地元の食物はからだに合っている。さらに、誰が作ったかわかるのでより安全で安心である。今からはこうした食品がますます必要とされるだろう。


(2)生産者と消費者との結びつき
 地産地消と言っても、なかなか実行できないのは売り手が消費者の生活圏の外遠くに位置していて、結局コスト計算すれば近場のスーパーで買った方が良いからである。そこでこれを解消するために、生産者と消費者をつなぐ団体が必要となる。消費者からの注文を生産者に提示して契約することで生産者が安心して農業・漁業に従事できるため、後継者不足を解消する役割も持っている。実際、生協などがこの役割を果たしているところもある。このような経済のシステムを作ることで地産地消はより広まるだろう。


(3)人を集める
 (2)の団体を作るには人手が必要である。そこで情報発信の仕方や人の動かし方が重要になってくる。情報をよりインパクトのあるものにして、人を突き動かすためにメディアの使い分け・演出に工夫がなければならない。福岡で人を集めるならば、ホークス・山笠応援として、イベント等で情報を発信したり、人を募って、つながりを大切にした団体を作るのも一つの工夫である。また、集めて活動をする際にも、リスクマネジメントによって人が活動しやすい環境をつくるべきである。知識を持つ人との連携をうまくとって団体を運営することもまた、より地産地消をスムーズに進める助けとなるだろう。