最終レポート14


農学部1年男子


大学に入学した当初、環境に興味のあった私はこの小ゼミを受講しようと思った。佐藤先生が農学部の先生でいらっしゃったことから、おそらく環境問題に対して理系的な面から教えていただくのかなと予想していたが、実際には問題を解決する手法を教えていただいたり、自分のやりたいことを実現するための道具をたくさんいただいたと思う。
私がこの少人数セミナーで過ごした時間はとても充実していて「学び」にあふれていた。私がここで得た「学び」は3つある。
 1つ目は「現場、実物にふれたこと」だ。この小ゼミのフィールドワークでは農場見学と田植えに参加した。
農場では、牛に直接エサをあげたり、なでたり、乳をしぼったりした。牛に触れることで、そのかわいさと私たちが命をいただいて生活していることを再認識できた。そしてまた、農場の方々とお話をしたりして、牛に愛情を持って接していることや農業の現状について深く知ることができた。自然と共生する農業のためには、植物や動物に対して愛情を持つことが大切だと思った。
田植えでは、地域の方々との交流したり、自分で稲を植えた。大学の講義でよく、田んぼの、生態系を守る上での重要な役割について聞かされたが、実際に見てみて、それを実感した。また、あのような農村地区の人たちの温かさ、ご飯のおいしさにも感動した。
フィールドワークで行った、どの現場にも笑顔があふれていた。仕事をしている方々の顔が輝いていた。農、そして食、そして笑顔という3つの言葉のつながりを肌で感じることができたと思う。
 唯一後悔していることは、2回目の実習に寝坊して遅刻したことである。今でも悔やんでいるが、これを教訓として、今後あのような失敗をして貴重な経験の場を棒に振るうことのないようにする。
2つ目は「考えることの意味」と、それとはまた違った「行動することの意味」だ。
この小ゼミでは、人と協力して考えることで一人のときよりもさまざまな考えを持つことができることを学んだ。また、何かを行動に移すとき、その成功は、どれだけしっかり考えアイディアをだし、綿密に計画することにかかっているということも学んだ。
そして、一見不可能にみえることでも、まずは行動に移してみる、挑戦してみることも大切なのだということも学んだ。これは、授業の内容というよりは先生方のお話の中から学んだことだ。
3つ目は「自分自身の可能性」だ。この小ゼミの授業全体を通して、自ら学んで、手段さえ手に入れれば、自分にもできることはたくさんあるということを感じた。先日の授業、パワーポイントで、がんの少女のことやリオのサミットでの伝説のスピーチのことを知り、その子供たちと自分とを比較してみた。すると、今の自分に対して、恥ずかしいという気持ちを持った。そして、恥ずかしくない自分になろうという目標を持つことができた。
いま私は、大学という学びたいことを学ぶためのところにいる。そしてそれは親の支えがあってこそ、生きている体があってこその、とても恵まれたことだということを決して忘れないでいようと思った。
この3つの学びは、このセミナーでなければ得られなかったものであろうと思う。
3人の、それぞれに魅力にあふれた先生方と、さまざまな学部から集まった、個性豊かな、それぞれにやる気にあふれた仲間に出会えたこともよかったと思う。そして、大学4年間の最初の学期にこのような素晴らしい授業に出会えたことも本当によかった。
 実のところ、私は受験の時期に、この農学部を選ぶ時にとても迷って決めた。それから、本当にここでよかったのであろうかとずっと思っていた。しかし、この授業を通して、農業の、農学部の食料の生産という面だけにとどまらない可能性というものも知ることができた。
 これからの4年間、ここで学んだことをどれだけ生かせるかわかりませんが、自分の可能性を信じて出来るだけのことをやっていこうと思います。
 短い間でしたが本当にありがとうございました。