『二丈町農村(ムラ)おこし学校』第2回セミナー

農村での生活に憧れ、いつかは田舎暮らしをやってみたい!
そう思う若者が増えています。
若者がおらず田畑や田舎の暮らし、郷土の伝統文化をどうやって維持していこうか。
そう悩む農村も増えています。
若者の体力、アイデア力、ネットワークヘが 農村が抱える課題に一つの光を灯し、
農村がもつ自然力、文化力、人間力が若者の人生に新たなひかりを灯す。
そんな出会いと学びの場の創出を二丈町農村(ムラ)おこし学校が行います。

第2回セミナーは、(有)木之内農園会長 木之内 均氏によるお話。
非農家であった木之内氏が阿蘇の地で農業を始め、右手に夢、左手にそろばんを持って取組んできた農業と農村との関わりに関するお話や、これから農業・農村での暮らしを実践していこうとしている若者に対するメッセージをトークライブ形式で伺います。


二丈町にて始まる、農村と若者の出会いにあなたも是非、ご参加下さい。


二丈町 農村(ムラ)おこし学校』第2回セミナー概要


◆日時:2008年11月22日(土)
◆時間:14:00〜17:45(セミナー終了後、懇親会を予定しています。)
◆場所:福岡県糸島郡二丈町 福井営農研修センター (直売所「福ふくの里」裏) 
◆参加費:セミナーのみは、500 円(懇親会参加者は1000円)
◆対象:農村での暮らし、農業に興味をもつ若者!
◆定員:30 名(先着)
◆申込み:?氏名?連絡先(メール, 電話番号)?所属 ?懇親会参加有無を下記連絡先に御連絡下さい。(?マインドシェア/九州のムラ 担当;森田)
 E-mail:agri_nijou@yahoo.co.jp
 TEL:092−418-3105 FAX:092−418-3102 


■当日プログラム■

  • 13:30〜14:00 受付開始
  • 14:00〜14:30 スタート ・ オリエンテーション
  • 14:30〜16:00 トークライブ  ゲスト:(有)木之内農園会長 木之内均『新参者が農業を始める試練と面白さ』
  • 16:00〜16:15 休憩
  • 16:15〜17:45 グループディスカッション&ワークショップ
  • 17:45     終了

※同会場にて、参加者及び地域の農家との懇親会を予定しています。

最終レポート18

21P1年男子


今回、前期を通して少人数セミナーを受け私自身が思うところとしてあげられることは、以前から抱いていた概念と比較して考えると、”視点が変化した部分”や”新たな学び”などといったものが多数あったことは言うまでもないということです。そして、今回の授業では「地域」や「環境」、「食」などが複雑に絡み合う様々なものを取り上げ、「農業」や「漁業」などを実体験的に経験し学習しているのですが、この変化していくきっかけとなったことは何かと考えると、計3回行なわれた実習体験はもちろん、日ごろ先生方がとりおこなって頂いていた授業など、今回の授業関連のすべてが私にとって今までとはまた違った観点を与えてくれるものでした。


前期を通して通常行われていた授業では、私自身の既存概念の中で改めて感じたこと、思い返したことが多くあり、日常において月曜日の5時限が最も楽しみな時間でありました。と言うのも、棚田の現状や里山の存在価値など”環境に視点を向けるきっかけ”を与えてくれるような話から、日本の古来の姿がどれほど自然と密接に関連していて、それでいて生物多様性の観点からしても、これらがいかに重要であると共に、今後に残していかなくてはならないのかといったことを思い改めるきっかけとなりました。加えて、環境と同様に日頃の授業で行われたリーダーシップ論やリスクマネージメントなどの講義はいつも私が好きで行っている地域活動やボランティア活動に直結して考えさせられるものでありました。また、”このような事態のときに、あなたは一体どのように対処しますか?”・”あなたがリーダーならばどうメンバーを動かせばよいですか?”などといった、自問自答が必要な授業内容などは私自身もいつも活動を行っているときとはまた一味も二味も違った、あらゆる視点から自分の意見や周辺の意見を考察することが出来ました。私自身の中ではこうした日頃の講義から改めて「リーダーとは何なのか、どうあるべきか。」を瞑想するきっかけとなり、この考察がいかに重要でありつつも難しい問題か、といったことを感じることになりました。


日頃の授業でも上記のようなことを考えることが出来たのですが、これら以上にすごく貴重な体験となったのはやはり計3回行われた実習授業であることは否めません。私自身、今回の実習の中で最初に行われた農場体験が21世紀プログラムの集中講義と被ってしまい参加が出来ませんでしたが、第2回の漁業体験、第3回の田植え体験だけでも日頃の授業と直結することに加え、その周辺の人々や環境からもたくさん得るものがありました。第2回に行われた漁業体験では、カキ養殖という1つのことが、カキ養殖にいたるまでの経歴、今現在の海をとりまく環境の変化(例:海水温度の上昇による生態系の変化、原油価格高騰による漁業事業者の生活困窮など)、漁師の人々の人柄や性格などあらゆること全てが関係していているのだなと思えます。また、養殖カキの搬送までの行程を体験し、カキを食した時、”このカキの味がなされているのは、多くのものが終結した結果なのだな。”としみじみ感じました。第3回に行われた田植え体験でも同じような感想も持ちましたが、田植えの場合は、漁業のときとは異なり、小さな子ども達などと一緒に手植えを朝からおこなっていくことで、疲れはしましたが疲れ以上に子どもと一緒に米が出来るまでの一部に加担して子どもに米の大切さや美味しさを伝えつつも自分自身も改めて思い返す良いきっかけとなったことに変わりはありません。


このように、この前期で行われた少人数セミナーは私にとって”本当に多くのものを得ることができ、思い改めることができ、学ぶことができた。”と感じる、興味深く楽しい授業でした。そして、この授業を通して私は改めて”環境とは何か、変えるとしたらどうしたらいいか。”、”自分自身が環境と向かい合ったとき、一体何ができるのか。”、”果たしてあるべきリーダーの姿とは何なのか。”といったものを考えることが出来ました。この授業で得られたものは本当に多かった。そう思う限りです。出来るのであればまた後期も考えています。そして、このような授業を開講していただいている先生方に大変感謝しています。本当にありがとうございました。

最終レポート17


農学部1年男子


大学に入ってすぐに授業の選択がありましたが、はっきり言って実際に受けてみないとわからないし、どれでもいいと思ってました。この糸島現代GPの授業も友達に誘われてきただけでした。なぜか自分だけがじゃんけんに勝ってしまい、友達に悪いなぁとは思いながらも授業を受けてみることにしました。
授業を受けて最初に思ったことは、他の授業とは少し違うなということでした。他の授業では基本的に受け身の授業だけで、高校時代の授業と大差ないという印象を受けていました。そのため、少人数ならではの親近感と自分で考え吟味する感覚が大学らしいと思えました。
他の講義とは違う事としては、糸島の農家や漁師の方のところへ実際に行き、学べるということもあります。酪農体験では普段見ることのない牛たちと触れ合ったり、その牛たちを育てている農家の方々と率直な意見交換を行ったりしました。牛乳が大好きな自分としてはこの経験でもっと牛乳を飲みたいと思うようになりました。だけど、その代り酪農家の方々の牛たちに対する愛情を間近で見ると、牛肉が何となく食べにくく感じられました。また、バター作りをしたのも初めてで、とても美味しくでき、楽しめました。漁業体験では、牡蠣の養殖業を体験させてもらいました。養殖をしてるいかだの所で何百もの牡蠣を見たときは圧巻でした。漁師さん達は気前よくその場で牡蠣を食べさせてくれました。磯の香りがする新鮮な牡蠣は今まで食べた牡蠣で一番おいしかったです。どちらの体験でも、食べさせてもらってばかりでしたが、せめてもの御礼として、これからの商売の役に立てるように学生ならではの意見を提供しました。それが実際に役立っているかはわかりませんが、糸島の活性化が進んでいってくれればよいと思っています。
そして、先日は田植えに参加させてもらいました。小さい子供も参加しているということだったので、比良松先生に教わったリーダーシップ概論の実践だと意気込んで行きました。ただ、自分の班は子供はいなかったので、ひたすら田植を真剣にやりました。田植えは小学生の時に経験があったので多少は楽だろうと思っていましたが、この年でもう体力が落ちているのか終わってみれば腰が痛くなっていました。秋になってきれいに文字が浮かび上がることを楽しみにしておきたいと思います。そして、ホークスが優勝していることも。その日はいつも佐藤先生が実践している「お弁当の日」もやってみました。朝はお弁当を作っていたために危うく遅刻するところでした。楽しみにしていたみんなのお弁当は本当においしく、みんなの料理の腕前に驚きました。みんなが美味しいと言って食べてくれるのは初体験で、うれしかったです。お弁当を作ることで人の温かみがわかったような気がします。家にいた時に当然のように食べていた母親のお弁当のありがたみが今更になって感じられました。
他に印象に残った授業に漂流脱出のゲームがあります。あの授業では、チーム内の意見をうまくまとめていけば、個人の結果よりも好成績を収められるということを教えられ、自分のエゴを抑え、他人を信じることの大切さがわかりました。
この講義の副題は糸島の環境保全のススメとなっています。最初のころはあまり環境に関係ないのではと思うことありましたが、先生たちが積極的に里山保全や生物の保全活動に参加し行動していて、その経験を伝えて、ディベート形式で自分達に考えさせようとしているのだと感じるようになりました。まだ前期の授業も受け終わってない自分ですが、このように本当に心に訴えかけてくる授業は珍しいと思います。先生たちが見せてくれたスライドの講義は本当に泣きそうになりました。特にリオの伝説のスピーチは自分の甘えが痛感させられました。自分はまだ学んでいる途中だから何もしなくていいわけではないんだと、自分にできることからやっていくべきなんだと感じられました。自分も授業で学んだこと生かし、自分がリーダーになってボランティア活動をしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

最終レポート16


芸術工学部1年女子


私が、このゼミを受講したわけは、環境設計学科に入ってから初めてフィールドワークを体験し、「フィールドワークって面白いかも」と思っていたからである。ただ、みんなでお出かけして単位が貰えるなんてラッキー、位の気持ちだった。だが、この少人数ゼミを通して、私が学んだことはとても濃度が高くて、週に1回という少ない授業の中に学びが詰め込まれていた。このゼミでの学びは、知識ではなくてもっと感覚的なもので、私を変えてくれたものだったと思う。特に、この少人数ゼミを受講して学び、成長したことは、環境や食を私の問題として考えるようになったことと、人や物事に関わる勇気を持つことが出来るようになったことだと思う。
私は、今までは環境や食について深く考えたことはなかった。もちろん、今は環境問題が大きな問題になっているので、小さい頃から学習する機会が何度もあった。だが、やはり環境問題というのは私からは遠い問題であって、個人ではどうしようもないことだった。また、食については食べ物について困ったこともなかったし、既製品であってもおいしければ良いと思っていたので問題意識など持ったことがなかった。でも、このゼミで、環境の変化で困っている人や食に気を配っている人と出会って、身近な問題として、この2つの問題を考えることができるようになった。
特に、食の問題、大切さといったものは、実際に自分が作ったものがおいしいと言ってもらえたことや、おいしい手作りの料理を食べることで、初めて体験することが出来た。自分が作った料理を、人に食べてもらうというのは高校1年生以来だったし、子供時代に親に料理を食べてもらうこともなかったので、他の美味しそうな料理たちと私の料理が一緒に並べられたときは緊張したが、食べ始めると、楽しいという思いだけになった。このとき、おいしくなかったらどうしよう・・・などと頭で考えるのではなくて、体で感じることが重要なのだなと感じた。感じたことは、言葉で相手に伝えることは難しくて、感じた本人ではないと自分からは遠い問題として意味がなくなってしまう。他人に伝達できないし、もしかしたら体験の次の瞬間には自分の中でも感じたことが消えてしまうので、体験し続けなければならないという点において、体験学習は非効率的かもしれない。けれども、食などの生きるために大切なことは、体験しなければ学べないと思った。環境問題が大変だ、孤食が進んでいる、と頭で考えるのではなくて、実際にやってみることで、本やテレビで知るよりも何倍も多くのことが学べるということがわかった。
次に、私が大きく変化したなと感じていることは、いろいろなことに関わることが楽しいと感じるようになったことである。特に、人と交流を持つことが楽しいと思うようになったことは、私の中で大変な変化である。私には、小さい頃から、他人から嫌われているのではないか、笑われているのではないかという思いがあって、深く関わる人を増やすことは、私を嫌う人を増やすことだと考えてきた。誰にでもある疑問だと思うが、電車内の笑い声が自分のこと笑っているのではないかという疑問を払拭することが出来ずに、ここまで引きずってしまっていた。高校時代は、美術部という10人程度の人たちの中が交流の全てで、クラスメイトとも簡単なあいさつくらいはするが、それ以上は仲良くならないようにしてきた。でも、このゼミでフィールドワークへ行ったり、ゼミ室でみんなと作業する中で、関わらなければ何も理解できないと思った。また、人と関わっていって、積極的に発言し関わっていくことでしか、私は存在しないんだと感じた。今までは、いてもいなくてもどうでもいい人だったと思う。少人数ゼミの中の漁業実習で、以前の私に戻ってしまっていて、カキのPOPを発表できなかったことが、悔しいことである。漁業実習の話し合いでの私は、いなくてもいい人だっただろうなと思う。
ゼミの初回で佐藤先生が言った、やってみないと意味がないという言葉は、私のテーマになっているほどであり、思い返すことが何度もあった。どうしようか迷っているとき、この言葉を思い出して、実際にやってみるということが前期だけで何度もあり、その一歩のおかげで今までで一番濃い半年になっていると感じる。「やってみる」を実践していくことで、濃い体験ばかりになり、考えがぐるぐる回ってしまうこともあった。今でも、消化できていない問題がたくさんある。こんなに頭が混沌としていて不安定になっているのは初めてだけれど、ここから何か生まれるのではないかという予感がしているし、生まれたものは私にとって大切なことなんだろうと思う。これからも、体験し続けて混沌の部分を増やしていきたい。混沌が多くなれば、可能性が増えていくと思うからである。

最終レポート15


21CP1年女子


はじめに、こんなにも私の好きなことがふんだんに含まれているゼミを受講できたことは、本当に幸せであった。問題提起をしてディスカッションを行い、アイディアを出したり協力をして解決策を打ち出したり、実践を想定しつつ行われたリスクヘッジ学習、そして極めつけはフィールドワーク体験である。大学でこのような経験が出来るとは思わなかった。毎回の授業を通して、周囲と協力、協調しながら最善の解決策や興味深いプランを打ち出す重要性や、実践型のリーダーシップのとり方、コミュニケーションの必然性などを広く、実感に基づき学ぶことができた。教師だけでなく、生徒が意見を出し、自ら動き、問題や感じたことを言葉に出して表現し、教師と生徒の双方向が盛んな授業はこんなにもおもしろく、充実するものかと驚きさえ感じた。
授業の中で田んぼについての問題をチーム対抗で回答していくことがあった。その問題の中で、“稲を植えてからいつの時点が一番、水の量などに気を使わなくてはいけないか?”という質問があった。私には答えがわからなかった。毎年毎年毎年、田植えから草抜き、稲刈りまで手伝っているのに…。なんだかとてつもなくショックで、自分に軽く失望してしまった。当たり前にあることにもっとしっかり触れなければいけない、もっと自分自身踏み込んで体験していかなければならない、私は何も知らない。そう感じ、気づくことの出来た出来事であった。
そしてなにより、この少人数ゼミでキーになるのは、休日に行われたフィールドワークであろう。百聞は一見にしかず、これに尽きると思う。参加できない回が多くなってしまったことは、本当に残念でしかたがないのだが、私にとって一回の、唐泊で行われた漁業体験(カキの養殖)はすばらしいものとなった。どのような仕事でも、自分自身で体ごと触れてみるということが一番の理解の方法だと再認識した。一日のみの体験ではたいてい楽しいことしか感じられず、つらさ・大変さ、また本当の根底にある魅力まではわからないかもしれない。しかし、漁業が自分のすぐそばにあることなのだということ、彼らの人情味、ライフスタイル、新鮮な食べ物のびっくりするようなおいしさ、食べ物への感謝、自然の尊さ、そして日本の農における問題点、これらは絶対に感じることができる。福岡の中心地のような都会の、マンション暮らしのみでしか生きてきていない人々にとって、決して触れることができないことばかりであろう。刺身は刺身の姿のままで海に泳いでいる。そんな風に思っている子供たちがいてはいけないと思うのだ。
最近においてもやはり、いまだ農業や漁業を、まったく自分とは関係のないことだと考えている人は多いと感じる。つい最近、「農業をやっている人、やろうとする人と結婚できるか。」という質問がひょんなことからおこった。私の周りにいた数名はみな一様に、「んー、やっぱ無理かなあ。」と答えたのだ。収入が低い、安定していないから。とにかく仕事が大変だろう。自分が農業するのは絶対いやだ。etc… 確かに難しい質問であるかもしれないが、とてもやるせない気持ちになってしまった。食の安全性が見直されている中で、みな農業が重要なのはなんとなくわかってはいる。言葉上では尊ぶべきものだと言っている人も少なくない。しかし、とりわけ若い人は、やはり農はどこか遠くで行われているものであり、すぐ隣にあるという認識がほとんどないようにどうしても感じられるのだ。いつになれば、このような農業のイメージ付けが払拭されるのだろうか、と不安な気持ちになってしまった。もちろん一方で、佐藤ゼミを受講している生徒たちもそうであるだろうが、若い人々でも、その重要性を肌で、体験を通して感じている人も増えていると思う。自分も含め、そのような気付きを見出した若者が増え、これからの日本にスタイリッシュでかっこいい、新しい農業の形を作り出してもいいのではないかと思う。
授業を通し、農や環境について新しく学ぶことによって、今まで自分が体験してきたこと、触れてきたものについて、新しい目で見直すことができるようになった。これは自分の中で望んでいた成長であると思う。今年の家での田植えは、より楽しく、自分の手で植えるというどきどきするような魅力を心底感じられる、すばらしいひと時となった。今年も例年のように、若い人たちが手伝いに来てくれたのだが、そうやって土に触れることのおもしろさや感動を伝えられ、共有できることの喜びがいっそう大きくなった。また、この授業は、なにか小さいことでもいい、自分自身がなにか新しい取り組みを興すことができる、と思える原動力にもなりえた。

少人数ゼミを引っ張っていってくれた先生方、一緒に時間を共有することができた仲間、そしてフィールドワークを支えてくれたすべての人々に心から感謝したいと思う。