最終レポート14


農学部1年男子


大学に入学した当初、環境に興味のあった私はこの小ゼミを受講しようと思った。佐藤先生が農学部の先生でいらっしゃったことから、おそらく環境問題に対して理系的な面から教えていただくのかなと予想していたが、実際には問題を解決する手法を教えていただいたり、自分のやりたいことを実現するための道具をたくさんいただいたと思う。
私がこの少人数セミナーで過ごした時間はとても充実していて「学び」にあふれていた。私がここで得た「学び」は3つある。
 1つ目は「現場、実物にふれたこと」だ。この小ゼミのフィールドワークでは農場見学と田植えに参加した。
農場では、牛に直接エサをあげたり、なでたり、乳をしぼったりした。牛に触れることで、そのかわいさと私たちが命をいただいて生活していることを再認識できた。そしてまた、農場の方々とお話をしたりして、牛に愛情を持って接していることや農業の現状について深く知ることができた。自然と共生する農業のためには、植物や動物に対して愛情を持つことが大切だと思った。
田植えでは、地域の方々との交流したり、自分で稲を植えた。大学の講義でよく、田んぼの、生態系を守る上での重要な役割について聞かされたが、実際に見てみて、それを実感した。また、あのような農村地区の人たちの温かさ、ご飯のおいしさにも感動した。
フィールドワークで行った、どの現場にも笑顔があふれていた。仕事をしている方々の顔が輝いていた。農、そして食、そして笑顔という3つの言葉のつながりを肌で感じることができたと思う。
 唯一後悔していることは、2回目の実習に寝坊して遅刻したことである。今でも悔やんでいるが、これを教訓として、今後あのような失敗をして貴重な経験の場を棒に振るうことのないようにする。
2つ目は「考えることの意味」と、それとはまた違った「行動することの意味」だ。
この小ゼミでは、人と協力して考えることで一人のときよりもさまざまな考えを持つことができることを学んだ。また、何かを行動に移すとき、その成功は、どれだけしっかり考えアイディアをだし、綿密に計画することにかかっているということも学んだ。
そして、一見不可能にみえることでも、まずは行動に移してみる、挑戦してみることも大切なのだということも学んだ。これは、授業の内容というよりは先生方のお話の中から学んだことだ。
3つ目は「自分自身の可能性」だ。この小ゼミの授業全体を通して、自ら学んで、手段さえ手に入れれば、自分にもできることはたくさんあるということを感じた。先日の授業、パワーポイントで、がんの少女のことやリオのサミットでの伝説のスピーチのことを知り、その子供たちと自分とを比較してみた。すると、今の自分に対して、恥ずかしいという気持ちを持った。そして、恥ずかしくない自分になろうという目標を持つことができた。
いま私は、大学という学びたいことを学ぶためのところにいる。そしてそれは親の支えがあってこそ、生きている体があってこその、とても恵まれたことだということを決して忘れないでいようと思った。
この3つの学びは、このセミナーでなければ得られなかったものであろうと思う。
3人の、それぞれに魅力にあふれた先生方と、さまざまな学部から集まった、個性豊かな、それぞれにやる気にあふれた仲間に出会えたこともよかったと思う。そして、大学4年間の最初の学期にこのような素晴らしい授業に出会えたことも本当によかった。
 実のところ、私は受験の時期に、この農学部を選ぶ時にとても迷って決めた。それから、本当にここでよかったのであろうかとずっと思っていた。しかし、この授業を通して、農業の、農学部の食料の生産という面だけにとどまらない可能性というものも知ることができた。
 これからの4年間、ここで学んだことをどれだけ生かせるかわかりませんが、自分の可能性を信じて出来るだけのことをやっていこうと思います。
 短い間でしたが本当にありがとうございました。

最終レポート13


芸術工学部1年女子


地産地消のシステム作り〜ホークス・山笠応援隊〜

この少人数セミナーでは、体験を通して様々な発見があったが、とりわけ私は地産地消について考えを深めたいと思ったので、このテーマについて述べることにする。以下に、地産地消が定着するまでにすべきことを流れに沿って挙げる。


(1)地産地消の必要性
 現在、日本の農業・漁業の現場が抱える課題は数多くあるが、中でも深刻なのが高齢化と石油価格の高騰である。農業・漁業とも、後継者の不足により、高齢の働き手が増えている。こうなると、数年後には食料生産の担い手がさらに減少することになり、日本の食料自給率も下がり続けるだろう。また、石油価格の高騰は漁業者にとって必須の船の燃料費に大きく影響し、遠洋や沖合の漁業は減少、魚をとっても採算が合わないといった実体があらわになっている。これには、国産のものより輸入品のほうが価格が安いため、国産の商品が負けてしまっている現状がある。世界のバイオ燃料の普及により、食料価格の高騰・食料不足が叫ばれるなか、こうした流れは将来の日本にとって危険である。この流れを変えていくためにも、地産地消は有効な手だてと言える。
 地産地消にはいくつものメリットがある。例えば、土着菌といってその土地独特の微生物が土を良くして、そこで育った食物に人間は適応するので、地元の食物はからだに合っている。さらに、誰が作ったかわかるのでより安全で安心である。今からはこうした食品がますます必要とされるだろう。


(2)生産者と消費者との結びつき
 地産地消と言っても、なかなか実行できないのは売り手が消費者の生活圏の外遠くに位置していて、結局コスト計算すれば近場のスーパーで買った方が良いからである。そこでこれを解消するために、生産者と消費者をつなぐ団体が必要となる。消費者からの注文を生産者に提示して契約することで生産者が安心して農業・漁業に従事できるため、後継者不足を解消する役割も持っている。実際、生協などがこの役割を果たしているところもある。このような経済のシステムを作ることで地産地消はより広まるだろう。


(3)人を集める
 (2)の団体を作るには人手が必要である。そこで情報発信の仕方や人の動かし方が重要になってくる。情報をよりインパクトのあるものにして、人を突き動かすためにメディアの使い分け・演出に工夫がなければならない。福岡で人を集めるならば、ホークス・山笠応援として、イベント等で情報を発信したり、人を募って、つながりを大切にした団体を作るのも一つの工夫である。また、集めて活動をする際にも、リスクマネジメントによって人が活動しやすい環境をつくるべきである。知識を持つ人との連携をうまくとって団体を運営することもまた、より地産地消をスムーズに進める助けとなるだろう。

最終レポート12


芸術工学部1年女子


私がこの少人数ゼミを受講してもっとも学んだことは、身近なものの大切さ、ありがたさである。
まず、最初の授業では自己紹介と受講生、先生と握手をした。大学に入って嫌というほど自己紹介をする機会があったが握手をしてというのは初めてだった。わたしは、結構人見知りで初対面の人とすぐに打ち解けることができない。顔と名前もすぐに覚えられない。知らない人だと思うとバリアみたいなものを無意識のうちに作ってしまう。しかし、相手の顔を見て笑顔で握手をすると自然と打ち解けた感じになれた。相手のことはまだ何も知らないのだが、肌の触れることで安心したのかもしれない。緊張もほぐれたと思う。握手は、あなたのことを受け入れますよというサインなのではないだろうか。だから相手に対する警戒心とかも薄れるし、自分も相手を受け入れようとするからバリアもなくなる。最近はだんだん初対面の人にも自分から話しかけたりできるようになった。多分、私も相手を受け入れようとするし相手に受け入れてもらいたいという気持ちが出てきたからだと思う。
フィールドワークでは、普段めったに関わることのできない世界に飛び込むことができた。牧場にはいけなかったが、漁業や農業をほんの1部ではあるが体験することができた。食という人間が生きることそのものに直結する漁業や農業は、身近でありながら遠い存在であった。当たり前のように魚や野菜、お米を口にしているが、私たちの口に入るまでにものすごい数の人々が関わっていて、その人たちのおかげで安全でおいしい食事ができているのだ。フィールドワークなどを通して、そういうことに気付いた。それからは、何事にも感謝の気持ちが出てくるようになった。まず、今私が生きているのは両親のおかげだし、学校で快適に勉強できるのは、掃除のおばさんたちのおかげなのである。この世には、気付かれないけれども自分たちを支えてくれている人やものがたくさんあるのだ。感謝という関連からは、「お弁当の日」もすごく勉強になった。今まで親が弁当を作ってくれるのは当たり前だと思っていたし、お弁当を作ることがそんなに大変なことだと知らなかった。私が生まれたときから私のためにご飯を作り続けてくれた両親の偉大さを感じた。実際自分が作ってみてその苦労がわかったし、それだけでなく誰かのためにつくりおいしく食べてくれる喜びというものも知ることができた。「おいしい」の一言に大きな力を感じた。最近作ってくれた人にきちんとおいしいと伝えるようになったし、お弁当やご飯を用意してくれる母親にありがとうというようになった。
また、学ぶ姿勢もこの授業を受けて変わったと思う。つまらないと思ってぼけっと聞いている授業でも、自分自身に何かを吸収しようという気持ちがあれば多くの学びを見つけることができる。ようは、学びとは入ってくるものではなく自分で取り込まなければならないのだ。楽しみを見つけて学ぶものほど実りになるものはないと思う。この授業は、ただゲームをして楽しいとかではなく、自分で考えて言葉にして相手に伝える自ら学ぶ姿勢を養うことができた。一人ひとり発表する機会が毎回たくさんあったし、ほかの人の意見を聞くことで、自分が見えなかった部分や違った観点、考え方を発見することができ、自分の視野が広がった。
私はこの授業で学び、成長できた部分を大切にして、今後は自分がほかの人に伝えていけるように頑張って生きたい。最初は、環境保全という名に惹かれていったが、環境に関することだけでなく、命や仲間、コミュニケーションなどとても多くの学びを得ることができた。この授業を受けて本当に良かったと思う。

最終レポート11


農学部1年女子


人が生きているとは、どういうことだろう。今の私たちにとって、生きていることは当たり前のことのように感じられる。身の回りには食料があふれ、それを当然のごとく生きている。しかし、本当はどれも貴重な自然の恩恵の賜物であることを気付かせてくれたのがこのゼミだと思う。私がこのゼミを受講しようと思った理由は、以前から環境問題に興味があり、「糸島の環境保全のススメ」という、このゼミの題が目にとまったからだ。私は自然が好きで、環境問題に取り組みたいという思いもあって農学部に入った。環境問題と言えば、グローバルな問題で、世界規模で環境問題の実状を知り、環境破壊を食い止める解決策を模索することがテーマであると思った。当然このゼミでもいかに糸島の環境を守るかという対策について調査・研究を行うのだと思っていたが、このゼミの視点はもっと身近なところにあった。
田んぼ、里山、そして人と人とのつながり。このゼミで学んだのは、そんな本当に身近なものだった。しかし、これが意外と盲点でもあった。水田にどんな生物がいて、どういう食物連鎖をなしているか、農作業の体験学習の事業をいかに運営するか、考えてみると意外と分からない。一人で考えても分からないことをグループで意見を出し合いながら議論することは、新しい考えの発見になり、また自分の考えをまとめる力の向上にもなった。このゼミでの話し合いはとても価値があった。みんな環境保全に興味を持って参加している仲間であり、積極的に自分の考えを述べる力がある。受け身の授業ではなく、自分で考えて言葉に表さなければならないこのゼミのスタイルは、いつも人任せにしがちな私にとって大きな刺激となった。
そして、三度のフィールドワークはとても大きな経験となった。酪農、漁業、田植え、どれも初めての体験だった。毎回、壮大な自然に触れて感動した。そして、農家や漁師の方との意見交換を通して、農業・漁業の大変さ、抱える問題点について学んだ。その度に、この自然と産業を残さなければという思いに駆られる。おそらくこの自然を見れば誰しもがそう思うだろう。しかし、現在、農業や漁業の地位があまりにも低いように感じられる。仕事を増やせば増やすほど不利益を被る現在の状況では、今後これらの産業は衰退してしまうかもしれない。人間にとって必要不可欠なこれらの産業が衰退するということは、私たちが生活できなくなることに等しい。生活を支えるこれらの産業はもっと保護されるべきだ。そう考えると、日本の生活を支えている農家、漁師、その他食に関わる仕事に携わる人々に強く感謝したいと思った。フィールドワークから帰ってくると、いつもそんな感謝の気持ちでいっぱいになる。ただの白ごはんもとてもありがたく感じる。そして、スーパーに並んだ一つ一つの食材が、自然の恩恵を受けて、生産者の手を通しているからこそここにあるのだということを深く感じる。当たり前だと思っているものの大切さや貴重さに気が付くことはとても難しい。それがなくなって不便な思いをするまで気が付かないものだ。しかし、それでは遅い。このゼミの活動を通して、私はそれに気が付くことができたように思う。普段できない体験をして、そして改めていつもの生活を振り返ることには大きな意味があった。
このゼミでは環境保全という課題をテーマにしながら、その枠にとらわれない、生きるということそのものを学んだ。フィールドワークで得た経験は、自分の思い出で終わらせてはならない。大学生としてこのゼミで学んだ以上、この経験を生かして貢献しなければならない。私は農学部として、今後農業や環境問題に関わる際に、ここで得た農業のありがたさ、人とのコミュニケーションのスキルを活かしていこうと思う。そして、もっと多くの学生にこのゼミを受講してほしいと思う。きっと、みんな自分の中で何か新しい発見をするはずだ。一人一人が少しでも変われば、いつか社会も変わる。私は今、このゼミを受講して自分が少し変われたという充実感を持っている。誰でもそんな気持ちにさせる、大きな力をこのゼミは持っている。

最終レポート10


工学部1年男子


工学部1年 岩永
九大に入って、初めて受ける授業が続く中、期待していた内容のものがなかなかなく、あせっていました。それは、自然と触れ合うフィールドワーク。中学、高校と受験を目標とした勉強ばかりを続けていて、大学ではもっと実践的で活動的なことをやりたいと願ってました。そんなとき、友達に紹介してもらった少人数セミナーはまさに理想的だったと思います。自然とのふれあいに加え、「食」というテーマをもりこんだフィールドワークは本当に充実していました。
まず、酪農体験。牛の乳搾りやエサやりなど、知識として知っているものの、やったことがない体験ばかりで新鮮味がありました。危険だったけれども、マムシとの出会いもそう思います。できたてのバターやヨーグルトはすばらしい味でしたが、あまり売れてないと聞いて、新しい事業を成功させるのはやはり相当大変なんだなと思いました。そんな苦労の中でも楽しそうに笑う酪農家の方々のことを、不思議に思いつつもうらやましく感じました。
次に、漁業体験。とれたてのカキは磯の香りがとても強烈で、海の上でないと味わえない濃厚さがありました。漁業はやはり原油高の影響を大きく受けているそうで、今では遠くへは漁業に行けず、魚もあまりとれないそうです。だから、近海での養殖が多いと聞いて、漁業の現実に寂しさを感じました。天然の味を次世代の人に伝えるためにも、伝統的な漁業のことを忘れないでほしいと思います。
最後に田植え体験。本格的な田植えと大勢の子供の世話を期待していましたが、予想と違い少し残念でしたが、ユニークな田植えと地元の温かい家族の方々とのお話ができて、とても勉強になりました。子供たちはすごく好奇心旺盛、自然が大好きな子ばかりで、こんな小さな頃からこんな体験ができて、うらやましく思いました。
その後の昼ご飯は、初の弁当の日。みんなうまく料理していて、「食」に対する関心が強いんだなと感じました。農家のみなさんの素材を生かした料理もとてもおいしかったです。どの活動も全く違う内容でしたが、共通して言えるのは全員が人生を楽しんでいると感じました。どの活動でも人に安全安心おいしい食べ物を提供していてるから、つくってる農家の方々自身も、たとえ先行きが不安でも、安心して楽しんで笑っているんだなあと思いました。自分のやりたいことで精一杯に生きてる人だからこそ心の底から笑えるんだと思います。そんな農家の方々と出会い、とても貴重な体験ができたことを嬉しく思います。特に田植え農家の方が言った「私たちは田んぼをつくり、田んぼが稲をつくる」という言葉がとても印象的でした。稲は自分達だけでつくっているのではなく、自然の占める部分が大きいという意味だと思います。自然に感謝しつつ、共生していくことの大切さを感じました。これと似た意味の言葉を他にも聞いたことがあります。最近CMで聞いた「自然にあるものをつくろう」という言葉です。人間を含む生物や草木はもとから地球にあったもので、環境を破壊することはありません。もとからは自然になかったものである、化学製品を人間がつくりだしたからこそ、地球の歯車は狂ってしまったのだと思います。地球にあるものだけでそれ以上を望まず生きていくことが大切であると感じました。
またあるいは、リオで行われた伝説のスピーチ。スズキの「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」という言葉に深く考えさせられました。弱冠12歳の女の子が述べたこのメッセージには、いろんな意味が含まれていると思います。まず純粋に環境破壊をやめてほしいということ。自分達の未来を左右する今の被害の大きさを切実に訴える気持ちがうかがえました。そして、こわしてもまたつくれる、もしくはもういらないと考える大人の気持ちを改めてほしいということ。先日、テレビ番組で「ホッキョクグマがいなくなっても私たちになんの影響もないから、かまわない」という意見があることに心底驚きました。また、緑を失った場所に緑を戻そうとする人々を見て、こんなことなら最初からなにもしなければ良かったのに、と思いました。人間は自分達の力を過信している、自分達のやっていることをしっかり見直すべきだと思います。今回、3つのフィールドワークに参加し、環境に対する知識と理解を深め、自分の意見をもてるようになったことが自分の成長であると思います。また、野外活動においてリーダーに求められることを知り、船で生き残ったときの適切な行動を知り、様々な知識を得ることができたと思います。一人暮らしになり、徐々に分かってきた「食」のもつ大切さ。この身近で小さなことは、人の笑顔や優しさへとつながって、地球環境を守ることにつながると確信しています。自分は工学部なので、工学部だからできるような環境への配慮を、常に意識して行っていきたいです。こんな貴重な経験を得たのだから、未来の地球の責任者としての自覚を持ち続け、次の世代に美しい地球を見せてやりたいなと思いました。

最終レポート9


農学部1年男子


今回この少人数セミナーを受講して、普通の授業では学べないことをいくつか学ぶことができた。
大学に入って新歓シーズンを迎えたとき、私はグリーンクラブに入った。この部活は毎日練習をして試合や演奏会でその成果を出すようなものではなく、みんなでハイキングをするという感じの気楽な部活で入部するのにほとんど悩まなかった。また、せっかく大学生活を始めるなら今までやったことのないことを1つ本気でやってみたいと思っていた私は本気で打ち込めそうなマンドリンクラブというものにも入部しようと考えていた。しかし、私は高校時代何の部活にも入っていなく本当にこの部活に入ってやっていけるのかと悩んでいた。高校のころ、私はべつに無所属でいるつもりはなく、柔道部に入る気だった。だが、高校の時はためらい続けたせいで入部する機会を失い、最後まで柔道部に入ることはできなかった。そんなとき、この授業でためらうぐらいなら実行しろという言葉を聞いて、高校の頃の失敗を繰り返したくないという気持ちがためらいの気持ちより強くなってマンドリンクラブに入ることができた。いま、マンドリンクラブに入ったことは後悔していなく、おそらくあのときためらい続けていたら大学生活はいまよりもつまらないものになっていただろう。
また、夢は必ず口に出せという言葉も心に残っている。まだ、私には夢というものがないので夢を口に出すことはできないが、この言葉はやろうと思ったことは何でも口にしろという言葉におきかえることができる。実際、やろうかどうか迷っていることでも人にやると言ってしまったらやらざるおえなくなるので、結局実行に移すことができる。マンドリンクラブに入るか迷っていた時も、いろいろな人に自分はマンドリンクラブに入るつもりだということを言い続けていたので、これもマンドリンクラブに入部することにつながった。いまでも、やろうと思ったことは人に言うようにしている。
上に述べたこともとても役に立ったことであるが、私がこの少人数セミナーを受けようと思った本当の理由は、実際にフィールドに出ていろいろな活動ができるからである。私は農学部であり、2年の前期が終了した時点で自分が所属するコースを選ばなければならない。しかし、私は何かやりたいことがあるから農学部に入ったのではないので、そのときまでに自分がやりたいことはなにかを見つけなければならない。そのため、いろいろなフィールドに出て様々な体験をすることは非常に重要なことであり、この少人数セミナーはそれをするのに最適なものであった。この少人数セミナーだけで、牧場、海、田んぼでのフィールドワークが体験できた。牧場では初めての乳しぼり、海では漁師さんの豪快さ、田んぼでは実際に泥まみれになりながらの田植えのように様々なことが体験できた。コース選択を決めるうえでの決定打になったものはなかったが、それでも貴重な経験になったことにかわりはない。夏には、田んぼにそった川や海岸での生き物採集をする3泊4日のフィールド科学入門の合宿にも参加するつもりである。
最後に、自分の将来の仕事を決定したりすることなどにはあまり関係のないことだが、弁当の日も印象深い。私は、大学生活に入って1年目は自炊するつもりがなかったので、フライパンや炊飯器など自炊に必須の道具を準備していなく、台所にはヤカンしかなかった。しかし、弁当の日が調理道具を準備するきっかけになり、フライパンやボウルなどが家の台所に加えられた。いままで、実家では料理の手伝いはしたことがあるが、実際に料理を作ったことはなかった。自分で料理を作ってみて一番思ったのは疲れたということであるが、その中に楽しさも見いだせた。自分はもうミールカードを買ってしまい、普段から料理を作っていると金銭的にかなり損をしてしまうので、いつも料理の練習はできないが、せっかく1年目から調理道具を買ってしまったので、日曜日にやることがなくて気分が乗ったときには、自分で作ってみようかなと思う。また、2年生の間はミールカードを買わずに、自分でご飯を作って料理の腕を磨くことは実家を離れるから決めていた。

最終レポート8


理学部1年女子


そもそも私がなぜこのゼミを受講しようと思ったのかというと、環境保全に興味があり将来的にそういった活動をしたいと思っていたからでした。私の所属する地球惑星科学科では、地球の構造・メカニズムについての授業はあるものの保全活動に関するものは全くなく、そのような内容の授業があればいいなと常々思っていました。シラバスを見てこのゼミを発見した瞬間、私の決意は固まっていました。初めて教室に来た時、予想以上に受講希望者が多く他のゼミに回されたらどうしようと思っていましたが、幸い女子の人数がちょうど定員で全員受講できることになりました。その後のレクレーションで他の受講生と話をしていくうちに、それぞれが地球環境に対して何らかの情熱を持っていて保全活動を実際に体験したいと思っていることに驚きました。そして、自分の地球環境に対する知識が甘いことを思い知らされました。もっと勉強しなきゃ…そう思えただけでもこのゼミを受講する価値はあると思いました。
主な活動内容は先生から何らかのテーマが提示され、それに関して自分の考えをとにかくたくさん出してグループ内でまとめた後発表するというものでした。今までの私は自分の考えの間違いが指摘されることを恐れてグループになってもほとんど発言できなかったのですが、「間違っててもいいからとにかくアイディアをたくさん出せ」という先生の言葉から、何も恐れることなく自分の考えていることを発表することができました。グループで出されまとめられた考えは、私ひとりではとても考えつかないすばらしいものになり、グループ発表の大切さを痛感しました。特に遭難脱出ゲームの時は、私ひとりの解答では間違いなく遭難して助からなかったという結果だったのですが、グループでまとめた解答では助かる可能性が大幅に上がり、話し合いの効果を身をもって実感することができました。
他にも個人的におもしろいと思った講義が、「デジカメ講習会」でした。これは写真を撮るアングルを考えてプロがとったような写真を撮ってみるというもので、私の場合デジカメを持っていなくて非常に残念だったのですが、それでも自分の携帯を持って六本松キャンパス内を歩き回り場所や角度を考えながら写真を撮るという時間は実に新鮮なものでした。普段は何気なく撮っている写真でもすこし考えるだけで特別な一枚になる、そんな素敵なことを学んだ講義でした。
そして、フィールドワークについて。都合上参加できたのは最初の酪農実習だけだったのですが、それでも貴重な体験ができたと思います。日常生活で普通に飲んでいる牛乳がどのようにして生産され私たちのもとに届くのか、そして牛乳離れを懸念し私たちにもっと牛乳を飲んでほしいと考えている農家の方々の思い、様々なことを学びました。レポートにも書いたことですが、私自身牛と直にふれあうのは初めてだったので最初は少し怖かったけれど慣れてくると自分から牛に触れることができるようになったし、何より牛がかわいく見えてきたと同時に心から牛に感謝するようになりました。これは普段の生活では絶対に実感できない、実体験して初めてわかることだと思います。今でもそう思う気持ちは変わっていません。途中、舗装されていない道を歩いたりマムシの恐怖と戦いながら汗だくになって草刈りをしたことも今ではいい思い出です。そしてこの実習で一番勉強になったのが農家の方との交流会でした。乳製品の売上を伸ばす方法を考える時、農家の方々は私たちではとても思いつかない(中には突拍子もないものもありましたが)すばらしく個性的なアイディアを出してくださいました。
こうして今までの活動を振り返ってみると、環境保全を考えるうえで大切なことは人とのつながりではないかと思います。保全活動はひとりで行ってもたいした効果は発揮しないだろうし、そもそも他の人の協力がなければ成り立たないものです。自分がどのように人と関わり、また関わられているのかを考えるだけでも自分の物事に対するまなざしが変わっていくのではないでしょうか。
そして、当り前のことですが自分から実際に行動すること。これは先生が紹介して下さった「弁当の日」から学んだことなのですが、本当にすばらしいアイディアだと思います。自分で食材を選んで買って調理する、そしてそれを誰かと食べる…こんなに単純だけれど素敵なことってありませんよね。それに自分で作ったものってなかなかもったいなくて残せないものですし、ゴミの削減にもつながりますね!!いつか私も友達とそういう日をつくって実行してみたいと思います。
 最後になりましたが、本当にこのゼミをとってよかったと今では心からそう思えます。貴重な体験をすることができたし、何より自分の考えを言えるようになっただけでこのゼミを受けた価値は十分あったと思います。お世話になった先生方には本当に感謝しています。先生方と出会えてよかったです。